なぜ2026年夏の電気代はこんなに高いのか
電気代が上がっている理由は、単に「暑いから」だけではありません。もうひとつ、見落とされがちな要因があります。それが「再エネ賦課金」です。 再エネ賦課金は、太陽光発電などでつくられた電気を買い取るための費用を、みんなの電気代から少しずつ負担する仕組みですね。この単価が、2026年度は1kWhあたり4.18円と、これまでで最も高い水準になりました。電気を月400kWh使う家庭だと、賦課金だけで月およそ1,672円、年間では20,064円にもなる計算です。 これに加えて、2026年の夏は猛暑が予想されており、エアコンの稼働時間も増えますよね。「単価が上がっている」うえに「使用量も増える」という、いわば二重の値上がり圧力がかかっているのが、2026年夏の電気代の実情と言えそうです。政府の補助金は”7〜9月だけ”の一時しのぎ
「でも電気代の補助金があるって聞いたけど?」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。たしかに2026年7〜9月は、政府による電気・ガス料金の負担軽減策が実施されています。 電気については、7月と9月が1kWhあたり3.5円、8月は4.5円の値引きが行われ、標準的な家庭で3か月合計およそ5,000円の負担軽減になる見込みです。予備費から5,000億円規模を充てる、というかなり大きな対策ですね。 ただ、ここで注意しておきたいのは、この補助はあくまで7〜9月だけの時限措置だという点です。猛暑本番の8月が手厚くなっているのはありがたいのですが、10月以降はこの値引きが無くなり、再エネ賦課金の負担だけが残ります。つまり、補助金に頼らない”構造的な対策”を並行して考えておく必要がある、というわけなんですね。電気代の”中身”を分解してみる
節約を考える前に、そもそも電気代がどう決まっているのかを知っておくと、どこに手を打てば効くのかが見えてきます。電気代は、ざっくり次の要素の合計でできています。- 基本料金……契約アンペア(または契約容量)に応じて決まる固定費部分
- 電力量料金……実際に使った電力量(kWh)に応じてかかる部分
- 燃料費調整額……火力発電の燃料(原油・LNGなど)の価格変動を反映する部分。プラスにもマイナスにもなります
- 再エネ賦課金……先ほど触れた、再エネ電気の買取費用を負担する部分
すぐできる節約:まずはエアコンの使い方から
電気代が気になる夏、いちばん効果が大きいのはやはりエアコンの使い方です。設定温度を1℃上げるだけで消費電力が大きく変わりますし、フィルターの掃除頻度でも効率が変わってきます。 エアコンそのものの選び方・買い替えのタイミングについては、以前くわしく解説していますので、まだの方はぜひあわせて読んでみてくださいね。 → 【警告】2027年、もう”安いエアコン”は買えなくなる?──格安モデル消滅と「2〜3万円値上げ」の全真相 → 【保存版】エアコンが2〜3万円値上がりする前に。2026年に「総額」で一番得する買い方 そしてもう一段、「契約している電力会社」を見直すだけで、エアコンの稼働が増える夏の電気代をまるごと圧縮できます。同じ使い方でも、料金プランや契約先を変えるだけで、年間数千円〜単位で変わることも。エアコンの使い方の工夫とセットで、電気代の”出口”も最適化するのが、賢い夏の乗り切り方だと思います。本命:固定費そのものを下げる
ここからが今回の本題です。手軽な方法と本命の方法、2段階でご紹介しますね。【手軽】契約アンペアを見直す
一人暮らしやご家族の人数が減ったタイミングで、契約アンペアを見直したことはありますか?契約アンペアは基本料金に直結していて、アンペア数を下げれば、その分だけ基本料金も安くなります。 たとえば東京電力エリアの場合、契約アンペアは10Aごとに基本料金が約311.75円ずつ変わります。50Aから40Aに下げれば、月311.75円、年間で3,741円ほどの節約になる計算ですね(単価は電力会社・地域によって異なりますので、お使いの検針票で確認してみてください)。 ただし、アンペア数を下げすぎると、エアコンと電子レンジを同時に使っただけでブレーカーが落ちる……なんてことにもなりかねません。ご家庭の電気の使い方と相談しながら、無理のない範囲で見直すのがポイントです。【本命】新電力への乗り換え
手軽な方法でどうしても限界があるのが、契約アンペアの見直しです。もっと大きな差をつけたいなら、電力会社そのものを乗り換えるのが本命の一手になります。 新電力に切り替えても、電気の質や届き方はこれまでと変わりません(送配電網は今まで通り地域の電力会社が管理しているため、停電のしやすさなどが変わることもないんですね)。変わるのは料金プランと契約先だけ、というわけです。【ソフトバンク・ワイモバイルユーザーは特に必見】携帯とセットでさらに得する
ここで、スマホがソフトバンクまたはワイモバイルの方に、ぜひ知っておいていただきたい情報があります。新電力の中には、携帯料金とセットにするとスマホ代そのものが割引になるプランがあるんですね。 ソフトバンクの新電力サービス「おうちでんき」に加入すると、「おうち割 でんきセット」という携帯とのセット割が使えます。ここが少し面白いところなのですが、ソフトバンク本体とワイモバイルとで、割引額にかなりの差があります。- ワイモバイル(シンプル3 M/L)……2年間、1回線あたり毎月1,100円割引。最大10回線まで適用されるので、ご家族でまとめれば割引額もそれだけ大きくなります(※シンプル3 Sは対象外です)。
- ソフトバンク本体……2年間は1回線あたり毎月110円割引、3年目以降は55円割引。最大10回線まで。
乗り換えを検討するときの注意点
新電力への乗り換えは基本的にメリットの大きい選択ですが、いくつか確認しておきたい点もあります。 ① 燃料費調整額に上限があるかどうか。電力会社によっては、燃料費調整額に上限を設けていない(=燃料価格が急騰すると青天井で料金が上がる)プランもあります。契約前に確認しておくと安心ですね。 ② 市場連動型プランは価格変動が大きい。電力市場の価格に連動するタイプのプランは、条件がハマれば安くなる一方、電力需給がひっ迫した時期に想定外の高騰をすることもあるようです。仕組みをよく理解したうえで選ぶのがおすすめです。 ③ 解約金の有無。キャンペーンによっては最低利用期間が設定されていて、短期間で解約すると違約金が発生することがあります。契約前に条件をよく確認してくださいね。よくある質問(FAQ)
Q. 電気代の補助金はいつまで続きますか? A. 2026年時点で決まっているのは7〜9月分です。10月以降については、その時々の状況次第で改めて検討される可能性があります。 Q. オール電化の家庭でも新電力に乗り換えられますか? A. オール電化向けのプランを用意している新電力会社もあります。ご自身の契約タイプに対応しているかを確認してから申し込むと安心ですね。 Q. 契約アンペアを下げても本当に大丈夫ですか? A. エアコン・電子レンジ・ドライヤーなどを同時に使う機会が多いご家庭は、下げすぎるとブレーカーが落ちやすくなります。ふだんの使い方を振り返ってから決めるのがおすすめです。 Q. 結局いちばんおすすめの節約法は? A. エアコンの使い方の工夫はもちろんですが、固定費として効くのはやはり新電力への乗り換えです。特にソフトバンク・ワイモバイルをお使いなら、携帯代からの割引も重なるのでおすすめ度が高いですね。👉 冬は冬で、電気代がまた上がります。暖房費の抑え方と、契約先そのものの見直し方をまとめました。 → 【2026年冬】電気代がまた上がる理由
まとめ:夏の電気代は、使い方と契約先の両方から攻める
2026年夏の電気代が高いのは、猛暑だけでなく、再エネ賦課金が過去最高になっていることも大きな理由でした。政府の補助金も7〜9月限定なので、使い方の工夫と、契約そのものの見直しを両方進めておくのが、いちばん賢い乗り切り方だと思います。 エアコンの使い方や買い替えについては、こちらの記事もあわせてどうぞ。 → エアコン2027年問題で何が起きる?2026年が”最後の買い時”になる理由 → エアコンが2〜3万円値上がりする前に。総額で一番得する買い方 この夏、少しでも電気代の負担が軽くなりますように。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!乗り換え先を選ぶ前に、一つだけ確認しておきたいこと
新電力は料金の安さだけで選ぶと、思わぬ落とし穴があります。2022年の燃料価格高騰では、契約していた新電力が家庭向けの供給から撤退し、利用者が急な切り替えを迫られる事態が実際に起きました。当ブログの運営者もその当事者のひとりです。そのときに何が起きたのか、そして次にどう会社を選ぶべきかを、体験にもとづいてまとめています。



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