筆者は現在、国内の高配当株を約80銘柄保有しています。本記事では、そのポートフォリオからセクター分散を意識して選んだ40銘柄をすべて公開します。
全40銘柄に単元株(100株)を投資した場合のシミュレーション:総投資額約1,092万円・年間配当約38.9万円・総合利回り約3.56%(2026年5月時点)。20を超えるセクターに分散しているため、特定業種の不調が全体に与えるダメージを抑えられるのが最大の特長です。
⚠️ 本記事は特定銘柄の購入を推奨するものではありません。投資は自己判断・自己責任で行い、最新の業績・配当情報は各社の公式IR情報を必ずご確認ください。
銘柄選定の4つの基準
約80銘柄のポートフォリオから40銘柄を選定するにあたり、以下4つの基準を設けています。
- ① 配当利回り2.5%以上:市場平均(約2%)を上回る水準を基本ラインに設定
- ② 配当性向70%以下(原則):業績悪化時の減配リスクを抑制。DOE採用企業や豊富なキャッシュフローを持つ企業は例外として扱う
- ③ 自己資本比率30%以上:銀行・保険・リースなど業種特性による低水準は除外
- ④ 増配継続または累進配当方針:DOE・下限配当・明示的累進配当のいずれかを採用していること
全40銘柄 単元株投資シミュレーション
全40銘柄に100株ずつ投資した場合の概算です(2026年5月時点の株価・配当予想を使用)。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 総投資額 | 約10,917,000円(約1,092万円) |
| 年間総配当額 | 約388,700円(約38.9万円) |
| 総合利回り | 約3.56% |
※ 株価・配当は2026年5月時点の概算値。実際の投資額・配当は変動します。高速(7504)の配当には創立記念配当が含まれています。
セクター別40銘柄リスト
20セクターに分散した40銘柄を順に紹介します。各テーブルは「銘柄名・コード・利回り・累進配当方針」を記載しています。
通信(1銘柄)
| 銘柄 | コード | 株価 | 利回り | 株主還元 |
|---|---|---|---|---|
| NTT | 9432 | 153円 | 3.53% | ✅ 16期連続増配 |
2023年7月に1:25の株式分割を実施し、1単元(100株)約15,300円と40銘柄中最安値で購入できます。16期連続増配を継続中で、長期保有の基盤銘柄として筆者ポートフォリオの柱のひとつです。
銀行(1銘柄)
| 銘柄 | コード | 株価 | 利回り | 株主還元 |
|---|---|---|---|---|
| 三井住友FG | 8316 | 5,882円 | 2.67% | ✅ 5期連続増配・配当性向40%超目標 |
メガバンク3社のなかで最も高いROEを誇ります。業績好調を背景に継続的な増配が期待でき、高配当ポートフォリオの金融セクター代表として1社に絞って採用しています。
保険(1銘柄)
| 銘柄 | コード | 株価 | 利回り | 株主還元 |
|---|---|---|---|---|
| MS&AD | 8725 | 4,462円 | 3.59% | ✅ 13期連続増配・累進配当方針 |
損害保険大手で、13期連続増配という長い実績を持ちます。国内損保市場の再編と海外展開が中長期の成長ドライバーで、累進配当方針を明示しています。
商社(1銘柄)
| 銘柄 | コード | 株価 | 利回り | 株主還元 |
|---|---|---|---|---|
| 三井物産 | 8031 | 5,662円 | 2.03% | ✅ 下限配当設定・連続増配 |
資源・非資源ともにバランスのとれた総合商社。下限配当を設定した上で増配を重ねており、商社セクターから1社に絞る際の筆者の第一選択です。
エネルギー(2銘柄)
| 銘柄 | コード | 株価 | 利回り | 株主還元 |
|---|---|---|---|---|
| INPEX | 1605 | 3,892円 | 2.75% | ✅ 下限90円設定・累進配当方針 |
| 伊藤忠エネクス | 8133 | 2,002円 | 3.10% | ✅ 安定配当継続 |
INPEX(1605)は国内最大の石油・天然ガス開発会社。原油価格変動の影響を受けますが、下限配当90円を設定することで配当の下方硬直性を確保しています。
伊藤忠エネクス(8133)は伊藤忠商事グループのエネルギー卸売・小売会社。石油製品・電力・ガスを扱う生活インフラとしての安定性が魅力です。
食料品(3銘柄)
| 銘柄 | コード | 株価 | 利回り | 株主還元 |
|---|---|---|---|---|
| JT | 2914 | 6,058円 | 3.99% | ✅ 配当性向75%方針・増配再開 |
| ニチレイ | 2871 | 1,901円 | 2.47% | ✅ 増配継続基調 |
| わらべや日洋HD | 2918 | 2,795円 | 4.29% | ✅ 増配継続 |
食料品セクターは高配当銘柄が少ない中から厳選した3銘柄です。
JT(2914)は数年前に一時減配した経緯がありますが、その後は増配を再開。配当性向75%という明確な方針と、たばこ・医薬品・加工食品の多角化が評価されます。ニチレイ(2871)は冷凍食品最大手でインフレ環境下での価格転嫁力が高く、わらべや日洋HD(2918)はコンビニ向け食品製造で安定した受注基盤を持ちます。
建設・住宅(3銘柄)
| 銘柄 | コード | 株価 | 利回り | 株主還元 |
|---|---|---|---|---|
| 積水ハウス | 1928 | 3,326円 | 4.36% | ✅ 15期連続増配・下限110円設定 |
| 住友林業 | 1911 | 1,272円 | 3.93% | ✅ 下限50円設定 |
| PSコンストラクション | 1871 | 1,744円 | 5.85% | ✅ 高配当維持方針 |
積水ハウス(1928)は住宅業界で最も安定した配当実績を持つ銘柄で、15期連続増配・下限配当110円を設定しています。米国住宅事業の拡大も成長ドライバーです。住友林業(1911)は国内戸建住宅と米国住宅事業の二本立てで下限配当50円設定。PSコンストラクション(1871)は利回り5.85%と40銘柄中トップクラスの高利回りを誇るプレストレストコンクリート工事の専門会社です。
不動産(2銘柄)
| 銘柄 | コード | 株価 | 利回り | 株主還元 |
|---|---|---|---|---|
| ヒューリック | 3003 | 1,650円 | 4.06% | ✅ 13期連続増配 |
| 野村不動産HD | 3231 | 1,060円 | 3.77% | ✅ 14期連続増配 |
ヒューリック(3003)は都内優良立地に集中した商業用不動産保有で13期連続増配。野村不動産HD(3231)は住宅・商業・物流施設を手掛ける総合不動産で14期連続増配と、不動産セクターでも長期増配の実績を持つ2銘柄を選定しています。
ゴム・ガラス・化学(5銘柄)
| 銘柄 | コード | 株価 | 利回り | 株主還元 |
|---|---|---|---|---|
| ブリヂストン | 5108 | 3,354円 | 3.73% | ✅ 5期連続増配 |
| AGC | 5201 | 5,574円 | 3.77% | ✅ 安定配当 |
| 積水化学 | 4204 | 2,261円 | 3.58% | ✅ 増配継続基調 |
| 日本ゼオン | 4205 | 1,870円 | 3.85% | ✅ 安定増配 |
| 関西ペイント | 4613 | 2,376円 | 4.63% | ✅ 3期連続増配(大幅増配) |
素材・化学セクターは5銘柄と40銘柄中最多のセクターです。グローバルニッチで高いシェアを持つ企業を中心に選定しました。ブリヂストンはタイヤ世界最大手、AGCは建築・自動車・電子ガラスで世界トップクラス。積水化学のPVB中間膜、日本ゼオンの光学フィルムなど独自の高機能材料が収益を安定させています。関西ペイントは配当性向25%と低く増配余力が大きい点が魅力です。
インテリア・生活用品(1銘柄)
| 銘柄 | コード | 株価 | 利回り | 株主還元 |
|---|---|---|---|---|
| サンゲツ | 8130 | 2,898円 | 5.35% | ✅ 11期連続増配・DOE採用 |
壁紙・床材の国内最大手。DOE指標を採用した株主還元方針により11期連続増配を達成。利回り5.35%は大型株クラスでは非常に高い水準です。
医薬品(1銘柄)
| 銘柄 | コード | 株価 | 利回り | 株主還元 |
|---|---|---|---|---|
| 武田薬品 | 4502 | 5,239円 | 3.82% | ✅ 200円維持方針(明示) |
国内最大の製薬会社。配当性向が一時的に280%超と高い状態ですが、豊富なキャッシュフロー(EBITDA)を背景に年間200円配当を維持する方針を明示しています。業績改善に伴い配当性向は徐々に正常化する見通しです。
リース・金融(2銘柄)
| 銘柄 | コード | 株価 | 利回り | 株主還元 |
|---|---|---|---|---|
| 三菱HCキャピタル | 8593 | 1,344円 | 3.35% | ✅ 27期連続増配 |
| 日本郵政 | 6178 | 1,771円 | 2.82% | ✅ 増配継続基調 |
三菱HCキャピタル(8593)は国内最大のリース会社で、27期連続増配という圧倒的な実績を持ちます。全上場銘柄でもトップクラスの「配当貴族」です。なお自己資本比率は約14%と低いですが、これはリース業の業態特性によるもので財務上の問題ではありません。
日本郵政(6178)はゆうちょ銀行・かんぽ生命を傘下に持つ複合グループ。安定した収益基盤を背景に増配継続中です。
陸運・物流(2銘柄)
| 銘柄 | コード | 株価 | 利回り | 株主還元 |
|---|---|---|---|---|
| セイノーHD | 9076 | 2,254円 | 4.53% | ✅ 増配継続 |
| キムラユニティー | 9368 | 904円 | 3.76% | ✅ 安定増配継続 |
セイノーHD(9076)は西濃運輸を傘下に持つ物流グループ。EC拡大の恩恵を受けるセクターで4.53%の利回りが魅力です。キムラユニティー(9368)はトヨタ系の物流・製造請負で、自動車産業の安定需要を背景に堅実な配当を継続しています。
輸送機器・機械(3銘柄)
| 銘柄 | コード | 株価 | 利回り | 株主還元 |
|---|---|---|---|---|
| ヤマハ発動機 | 7272 | 1,247円 | 4.01% | ✅ 増配継続 |
| アネスト岩田 | 6381 | 1,778円 | 4.67% | ✅ DOE7.0〜7.5%方針(新設) |
| ジーテクト | 5970 | 2,042円 | 4.41% | ✅ 高配当維持方針 |
ヤマハ発動機(7272)は二輪・船外機・産業用ロボットを手掛けるグローバル企業。アネスト岩田(6381)は空気圧縮機・塗装機器の専門メーカーで、2024年にDOE7.0〜7.5%という業界でも高水準な累進配当方針を新設した注目銘柄です。ジーテクト(5970)はホンダ系の車体プレス部品メーカーで利回り4.41%を維持しています。
電機・精密(2銘柄)
| 銘柄 | コード | 株価 | 利回り | 株主還元 |
|---|---|---|---|---|
| ブラザー工業 | 6448 | 3,527円 | 2.83% | ✅ 増配継続基調 |
| EIZO | 6737 | 2,127円 | 5.17% | ✅ 下限105円設定・総還元性向70%以上 |
ブラザー工業(6448)はプリンター・複合機の世界的メーカーで工作機械事業も展開。EIZO(6737)は医療・産業・クリエイター向け高精細モニターの世界的ブランド。下限配当105円設定・総還元性向70%以上という際立った株主還元方針に加え、自己資本比率68%超の強固な財務基盤を持ちます。利回り5.17%は電機精密セクターでは異例の高水準です。
家具・住設(2銘柄)
| 銘柄 | コード | 株価 | 利回り | 株主還元 |
|---|---|---|---|---|
| オカムラ | 7994 | 2,354円 | 4.12% | ✅ 安定配当継続 |
| ノーリツ | 5943 | 2,361円 | 3.98% | ✅ 配当性向50%以上またはDOE2.5% |
オカムラ(7994)はオフィス家具の国内最大手。コロナ後のオフィス回帰で需要が回復し4%超の利回りを提供しています。ノーリツ(5943)はガス給湯器・風呂釜の大手で、中期計画に「配当性向50%以上またはDOE2.5%」という明確な還元方針を設定しています。
卸売(3銘柄)
| 銘柄 | コード | 株価 | 利回り | 株主還元 |
|---|---|---|---|---|
| アルコニックス | 3036 | 2,501円 | 3.36% | ✅ 増配継続基調 |
| 日本電計 | 9908 | 2,428円 | 3.71% | ✅ 配当性向35%目安 |
| 高速 | 7504 | 2,824円 | 4.11% | ✅ 22期連続増配※ |
アルコニックス(3036)はアルミ・ニッケルなど非鉄金属の専門商社でEV向け素材需要が追い風。日本電計(9908)は計測・制御機器の専門商社で自己資本比率52%と財務健全。高速(7504)は工具・工業用品の専門商社で22期連続増配という長期実績を誇ります(※2026年3月期の116円には創立60周年記念配当60円が含まれており、通常配当は56円程度です)。
IT・コンサルティング(3銘柄)
| 銘柄 | コード | 株価 | 利回り | 株主還元 |
|---|---|---|---|---|
| スターティアHD | 3393 | 2,085円 | 4.89% | ✅ 総還元性向65%以上目標 |
| アイティフォー | 4743 | 1,692円 | 4.73% | ✅ 増配継続 |
| 船井総研HD | 9757 | 1,143円 | 4.20% | ✅ 10期連続増配・総還元65%以上 |
スターティアHD(3393)はBPO・クラウドサービスの中堅IT企業で総還元性向65%以上の積極還元方針を持ちます。アイティフォー(4743)は金融・自治体向けシステム会社で自己資本比率71%と高水準。船井総研HD(9757)は中小企業向け経営コンサルティングで10期連続増配・総還元65%以上を達成しています。
教育(1銘柄)
| 銘柄 | コード | 株価 | 利回り | 株主還元 |
|---|---|---|---|---|
| 学究社 | 9769 | 2,385円 | 4.32% | ✅ 安定配当継続 |
首都圏を中心とした学習塾チェーン。少子化の中でも難関校受験需要は底堅く、4%超の利回りを維持しています。
小売・フィンテック(1銘柄)
| 銘柄 | コード | 株価 | 利回り | 株主還元 |
|---|---|---|---|---|
| 丸井グループ | 8252 | 2,983円 | 4.39% | ✅ 14期連続増配・DOE10%目標 |
百貨店からフィンテック(エポスカード)への転換を果たした注目銘柄。DOE10%という業界最高水準の株主還元目標を設定し、14期連続増配・EPS年9%成長目標を掲げています。増配余地が大きく筆者が特に注目している「増配継続株」の代表です。
投資にあたっての注意事項
- 高速(7504)の2026年3月期配当116円には創立60周年記念配当60円が含まれます。来期以降の普通配当は50〜60円台になる可能性があります
- 武田薬品(4502)の配当性向は一時的に280%超。業績改善が続かない場合は減配リスクがある点にご注意ください
- 三菱HCキャピタル(8593)の自己資本比率約14%はリース業の業態特性によるもので、財務の問題ではありません
- 株価・利回りは日々変動するため、実際の数値は記事掲載時と異なる場合があります
- 本記事の情報は2026年5月時点のものです。投資判断は最新の公式IR情報を必ずご確認ください
- 本記事は情報提供を目的としており、特定銘柄の購入を推奨するものではありません
まとめ:セクター分散が高配当投資の要
筆者が約80銘柄の高配当株ポートフォリオから厳選した40銘柄を紹介しました。
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| 総投資額(全40銘柄・単元株) | 約1,092万円 |
| 年間総配当額 | 約38.9万円 |
| 総合利回り | 約3.56% |
| カバーセクター数 | 20セクター |
20を超えるセクターに分散することで、特定業種の不調が全体に与えるダメージを抑えられます。また、累進配当・下限配当方針を採用した銘柄を多数含めることで、業績変動時の減配リスクを低減しています。
高配当株投資は「どの銘柄を買うか」と同じくらい「いかにセクター分散するか」「増配を続けられる企業か」が長期リターンを左右します。ぜひ本記事を銘柄選定の参考にしてください。


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