【教訓】新電力が次々事業停止！エルピオでんきにみる新電力会社の選び方

エネルギー価格の高騰で新電力会社「エルピオでんき」の事業継続が困難に！

それは突然届いた一通のメールから

ロシアがウクライナに侵攻を始めて少し経った2022年3月下旬「【重要】「エルピオでんき」は2022年4月末に利用できなくなります。早めの手続きをお願いします」というタイトルのメールがふと目にとまりました。メールの差出人は「エネチェンジ」という電力会社比較サイトのメルマガでした。「エルピオでんきが使えなくなるだと…」とメールを見るとメルマガには以下の内容が書かれていました。

この内容がさらっとメルマガで送られてきたことに驚きつつ、そもそもなぜ電力会社比較仲介サイトのエネチェンジからお知らせが来るのか（まあエルピオでんきはエネチェンジ経由で契約したが。。。）、こんな重要なお知らせはエルピオでんきから来るのが普通ではないのかと疑問に思っていると、翌日またエネチェンジからこんなお知らせのメールが届きました。

メルマガでお知らせではさすがに問題だと思ったのか、今度は正式なお知らせ／お詫びという形をとっていますね。それでメールに記載の「相談ホットライン」とやらに電話をしてみますが、全く繋がりません…困ったものです。

半年前に契約したエルピオでんきのキャッシュバックはもらえないのか？

どうやらエルピオでんきが事業停止してしまうことは間違いないようです。そういえばエルピオでんきエネチェンジで契約した際のキャッシュバック特典って貰ってなかったよな、と思いエネチェンジのメールを確認してみると、「エネチェンジ限定特典」ということで「10ヶ月継続利用で2万円のキャッシュバック」を条件に契約していました。今回メールが届いたのがちょうど8ヶ月目だったので、4月末で事業終了だと9ヶ月利用しかできないが、キャッシュバックはどうなるのだろう？こちらの都合ではなく電力会社側の都合なのだから、全くもらえないというのはおかしな話だよね？と思い、「キャッシュバック実施元のエネチェンジに聞いてみるか」ということで電話したのですが、繋がらないのでメールで確認してみることに。

その回答がこれです。

全くご理解もご了承もできませんが、まあクレームしても変わらないでしょうから、エネチェンジとの対応がストレスになるのと無駄な労力なのであきらめました。面倒なことはしないほうがいいですね。

（追記）エネチェンジ経由ではなくエルピオでんきに直接申し込んだ場合、キャッシュバックは10ヶ月未満でも経過月数に応じて月割り計算でもらえるようになったようです（実際に対象のユーザーにお知らせがあった模様）。電力小売事業がピンチだというのにエルピオさんはちゃんとしていますね。一方エネチェンジは、4月に10ヶ月になるユーザーにはキャッシュバックを行うように調整する趣旨の記載が下記リンク先にありましたが、10ヶ月未満だとキャッシュバックはしないようです。エルピオから直接申し込んだ方は勝ち組、エネチェンジから申し込んだワタシは負け組のようです。。。

エネチェンジサポートページ エルピオでんきの業務停止に伴いキャンペーンの特典はどうなりますか？

新たな電力小売会社を探すことに

そんなこんなで急ぎ新しい電力会社を探すことになり、まずはエネチェンジで候補となりそうな電力会社を探してみます。すると昨年の夏頃には新電力各社エネチェンジ経由限定のキャッシュバックがかなりあり、選ぶのが大変なぐらいだったのですが、このエネルギー高騰のせいでしょうか、軒並みキャッシュバック額がダウンどころかほとんどない状況です。キャッシュバックがあったとしても「10ヶ月の契約継続とキャッシュバック実行が概ね12ヶ月後」とキャッシュバックがとても遅いエネチェンジ経由だと、またエルピオでんきのようなリスクが出てきますので要注意です。

エネルギー価格高騰の情勢下で電力会社を選ぶコツ

新電力会社の選び方の結論としては、

という5つの項目を電力会社選びの際の条件に、エネチェンジの比較機能も使いつつ比較してみました。比較する際には、現在の電気会社の契約や電力利用量を確認する必要があるので、電気の検針票や電力会社のマイページを見ながら入力していきましょう。見積もりに必要な項目は以下の通り

• 契約中の電力会社名と現在の料金プラン（例：エルピオでんき　スタンダードプランS（40A））
• 契約アンペア数（30Aとか40Aとか）
• 電力使用量（2月は513ｋWhでした）
• お住まいの郵便番号

電力会社によっては夜間が割安で日中が高いプランとかもありますので、ご家庭の生活傾向も把握しておきましょう。最近はテレワークで日中も在宅勤務でエアコンをガンガン使っていたりしますので、コロナ以前の生活スタイルとは変わっていることもあると思います。

新電力各社を比較して「ENEOSでんき」を選定

自宅は東京電力管内となり電力会社は比較的多いのですが、エルピオでんきがまずまず安かったこともあり、このエネルギー価格高騰の情勢下では大幅にエルピオでんきよりも安い会社はありませんでした。年間で2,400円（月換算200円程度）ほど安い会社（シン・エナジー）はあったのですが、新規受付停止状態で申し込みできません。(以下画像参照)

そもそも、このように新規申し込みを停止しているということは、エルピオでんきのように今後の事業撤退や料金の大幅値上げも考えられます。楽天でんきも新規受付を停止している現状ではおトクな電力会社の選択肢が非常に少なくなっています。そこで経営体力があり、事業継続性の高さという観点を加えて検討すると、エルピオでんきからの切り替えの候補は以下の3社になりました。

電力会社	ENEOSでんき	ソフトバンク	東京ガス
プラン	東京Vプラン	おうちでんき	基本プラン（40A）
契約期間	なし	2年契約	なし
解約手数料	なし	550円	なし
解約違約金	なし	更新月以外5,000円	なし
割引	・東京電力従量電灯B の3段階で定率割引 第1段階：19.88円 第2段階：24.54円 第3段階：26.22円	・東京電力料金の-1％ ・ソフトバンク回線 （携帯／ネット）契約で 2年間110円割引／回線	・東京電力従量電灯Bの 3段階で定率割引 第1段階：19.78円 第2段階：25.29円 第3段階：27.36円 ・ガス・電気セット割： 基本料金と電力量料金-0.5％
ポイント付与	Tポイント 200円で1ポイント （還元率0.5％） または特別提携カード払いで ポイント1.5倍から4倍 またはENEOSカードで割引	アプリ登録初回で Paypayポイント 100ポイント付与	パッチョポイント 1,000円で15ポイント付与 （還元率1.5％）
キャンペーン	基本料金3ヶ月無料	初月電気代0円 （2022年5月31日迄） ※1年以内の解約で 違約金3,000円	東京ガス契約中の場合 基本料金3ヶ月無料

この3社は各業界においても大手で、企業体力も十分にあり電力小売事業の継続性も問題ないと思われます。特に東京ガスとENEOSはエネルギー事業者であり、自ら発電所を構えて電力卸売市場だけに依存しないビジネスモデルになっているので安心ですね。

一方、通信キャリア大手ソフトバンクの「おうちでんき」はキャンペーンで初月の料金が全額無料になるので、月の電気代が高い人ほど割引額が大きくなります。ただ4月、5月の電気代はちょうどエアコンを利用しない季節ということもあって、我が家だとせいぜい8,000円ぐらいかなと。電気代のピークとなる8月〜9月、12月〜2月ではないのが残念です。以前は2ヶ月無料だったり半年無料という大盤振る舞いをしていましたが、このところは1ヶ月に短縮されています。これも5月末でキャンペーン終了なので、現在のエネルギー価格高騰の情勢だとしばらくキャンペーンの再開は難しいかもしれません。ただ家族でソフトバンクの携帯／ネットユーザーなら1回線あたり月100円の割引があるのでお得感はありますし、東京電力より1％安いというのはわかりやすいですね。一方で1％しか安くないとも言えますし、また以前の携帯電話のように2年縛り契約で更新月以外は5,000円の違約金があったり、初月無料キャンペーンを受けると1年以内の解約で3,000円の違約金が発生したりとトラップが満載でした。我が家はソフトバンクユーザーでないので、お得界隈のYoutuberさんは激推ししていましたがスルーしました。今回候補にはしませんでしたが「ドコモでんき」もNTTグループという国内最大の通信キャリアがauとソフトバンクに続き、この新電力には逆風という状況下にもかかわらずリリースした新電力ですが、価格的なメリットがさほど感じられなかったので様子見としました。携帯回線や光回線とのセット割引など今後に期待したいところですね。

ここからENEOSと東京ガスの一騎打ちとなるわけですが、両社の毎月の基本料金は変わらずですが、ガスは東京ガスを使っているので0.5％割引があります（基本料金（40Aで1,144円）から5.72円割引）。しかし基本料金ではほとんど差がつきません。キャンペーンの基本料金3ヶ月無料も両社同じですが、従量部分の2段階と3段階目の料金単価が安いENEOSが有利です。さらにENEOSでんきは特別提携カードで支払うと、そのポイント付与率がアップします。それで出てくるのが、以前記事にしたEPOSゴールドカードです。「選べるポイントアップショップ」に登録することで4倍付けになるのでエポスポイントが2％還元になるんです。EPOSカード以外にもANAカードなら200円で1マイルが付与されたり、JR東日本のViewカードや三越伊勢丹のMIカード、セブンカードは2倍、ドコモのｄカード、楽天カード、トヨタのTSキュービック、レクサスカードなら1.5倍と選択肢は色々あるので、皆さんも対象のカードがある場合、Tポイントもらうよりおトクですね。ENEOSカードでガソリン入れている方はENEOSカード・シナジーカード割引も大きいと思います。ガソリン価格高いですからね。

ということで、我が家の電気はエネゴリくんのCMでおなじみの「ENEOSでんき」にすることに決定しました！

そもそも電力会社の変更ってカンタンなの？

はい、めちゃくちゃカンタンです。電力会社変更するの大変そうと思われる方もいらっしゃると思いますが、携帯電話のように転出元の会社にMNP番号を発行してもらって、それをもっていつまでに転出先で契約しなければならないとかいう面倒臭さは一切ありません。「供給地点番号」という検針票に記載の番号を用意して、希望する電力会社のWebサイトで申し込みをすればそれでOK。解約手続きも一切不要で供給開始日の午前0時に自動的に切り替わります。基本的に工事も不要ですが、通信機能のついたスマートメーターに交換する必要があるので工事が発生する場合もあります。屋外のメーターの取り替えなので、立ち合いも不要、留守がちでも大丈夫です。もちろん費用もかかりません。料金請求は口座振替は時間もかかるので、支払いでポイントもつくクレジットカード決済がオススメですね。また競争も進んでいるので、もし地域の電力会社が有利なプランを提供開始したりして、東京電力（東京電力エナジーパートナー）とかに戻したくなってもWebから同じように申し込めばOKです。

ちなみに我が家は東京電力➡️auでんき➡︎アストマックス・エネルギー（外資系）➡︎エルピオでんき➡︎ENEOSでんきと渡り歩いてついに5社目です（笑）

ちなみに電力会社を変更する際には、ポイントサイトを利用するとそのポイントも付与されるのでおすすめです。以前でしたらエネチェンジは比較検討からキャッシュバックまで一貫しており便利だったのですが、最近は新電力会社が青色吐息なのでキャッシュバックの遅いエネチェンジを経由するメリットがほとんどありません。ワタシはポイントサイト案件を検索してENEOSでんきで3,000円相当のポイントをいただきました。

まとめ：電力会社は価格と安定性の両軸で検討しよう

という訳で、エルピオでんき騒動に巻き込まれた我が家も無事ENEOSでんきに切り替わりましたが、このエネルギー高騰が終わるまでは新電力の顧客獲得キャンペーンも下火が続くでしょうから、しばらく様子見でいくことになるでしょう。ENEOSや東京ガスの電気供給における信頼性は地域電力会社に次いで抜群なので、契約して失敗となることはまずないと思います。現在東京電力を利用されているなら確実におトクになり安心な切り替え先だと思いますので検討されてみてはいかがでしょうか。正直エルピオでんきがこんなことになるとは予想できなかったのですが、結果としてエネチェンジからキャッシュバックももらえず失敗だったなと思います。

このブログではいろいろなおトクライフを追求していますが、100点満点ではなく80点でよいという方針です。なのでおトクだけを追求すればもっとおトクな会社もあるかも知れません。ただそれを調べるのにかかる時間と労力が得られるベネフィットに見合うかどうかというところを鑑みると、いろんなおトクを次々と実践していくことでトータルでおトクになると思います。

以上、参考になれば嬉しいです。これからもおトクになる記事を書いていきますのでよろしくお願いします。